【主催】 |
株式会社AKI(学校法人神戸学園グループ) |
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【後援】 |
文部科学省、兵庫県、兵庫県教育委員会、 神戸市、神戸市教育委員会、神戸商工会議所、 六甲アイランド地域振興会、一般社団法人外国人材活躍支援協会 |
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DXパネルディスカッション概要
2023年8月7日(月)神戸ファッションマートにおいて、AKI神戸キャリアフォーラムの最期を飾るイベントとして、台湾數位發展部部長オードリー・タン氏をオンラインでお招きしたDXフォーラム(主催:神戸学園グループ、後援:台北駐日経済文化代表処、兵庫県、神戸市、日本私立大学協会、六甲アイランド地域振興会、一般社団法人外国人材活躍支援協会)が開かれました。
冒頭、イベント実現にご尽力いただいた衆議院議員盛山正仁氏より、開会のご挨拶がありました。続いて、ご来賓を代表して、台北駐日経済文化代表処副代表蔡明耀氏、兵庫県知事斎藤元彦氏、神戸市長久元喜造氏よりご祝辞を頂きました。はじめにタン氏の基調講演「台湾と日本―デジタルと基本的価値の共有―」が行われ、それに続いて「AIと教育―AIが変える教育の未来―」をテーマとするパネルディスカッションが実施されました。タン氏に加えて、衆議院議員で初代デジタル大臣の平井卓也氏、衆議院議員で現デジタル副大臣の大串正樹氏、日本私立大学協会副会長谷岡一郎氏、芦屋市長高島崚輔氏をパネリストとしてお迎えし、衆議院議員鬼木誠氏のコーディネートのもと議論が交わされました。
DXパネルディスカッション要旨
まず注目されるAIと教育の関係について、タン氏より、AIは手段であり、それ以上にパーパス(purpose: 目的)が重要だと表明されました。それを受けて、平井氏からは、AIを使う知恵を持つ学生の育成が重要だという指摘がありました。また、大串氏からはAIと教育の関係を考える際の3つのポイント「学校事務のデジタル化」「教育データの共有連携」「個別最適化した学び」が示されました。
次に、学生の立場からAIは有用かについて、谷岡氏より学生がAIを使いこなすことは必須だが、一方でコミュニケーション能力やリーダーシップが機械相手で学べるかは疑問だと述べられました。平井氏からも、重要なのは一生学び続けることの習慣づけであり、教育の本質は学びのパーパスを見つける手伝いだという発言がありました。高島氏からは、教師の立場からのAIの有用性について、AIで事務作業を効率化することで、生徒に向き合うという人にしかできない仕事に教師のエネルギーが使える点にあるという指摘がありました。
続いて、AIが教育格差を解消するかという点に議論が進み、平井氏よりアクセシビリティ(accessibility: ここでは誰でもウェブが利用できること)の100%保証の必要性、学習履歴をブロックチェーン(blockchain: 分散型台帳、改竄に強いデータ記録方式)で共有することの重要性が述べられ、タン氏からは台湾では「ブロードバンドは人権」という考え方のもとインフラ整備が行われているという発言がありました。谷岡氏からは、教員がAIを活用できるかどうかの格差も広がっていくことの指摘も出ました。鬼木氏からは、パーパスを持つ人とそうでない人に格差が広がること、意欲が大きな力になるという言及がされました。
議論のまとめとして、AIが学びの面白さを知る手段となること(高島氏)、AI時代におけるリーダーシップや考える力を育てる教育の重要性(谷岡氏)、次のイノベーションを担う人材がAIで育つという期待(大串氏)、AIがないと結論を出せない人ではだめで、創造性に自信をもつ若者が出る社会を作ることが重要(平井氏)、技術を作る人がどう使うかに干渉しないことが重要(タン氏)という意見がそれぞれ述べられました。
会場からは、AIの中央集権化を防ぐ枠組みについて質問が出ました。タン氏からは、EUのAI法案におけるオープンソースの議論が、平井氏からは、デジタル田園都市構想の中心的な考えが、それぞれ中央集権からの脱却を目指すものだという回答がありました。
最後にコーディネーターの鬼木氏が、豊かな未来:パーパスから考えることは神戸学園の描く「逆算のDX」につながっており、DXフォーラムではその理想に向かっていくことが共有されたという意見を述べ、議論を締め括りました。